- HOME
- 雨漏りしにくく経済的な切妻屋根、三角屋根のメンテナンスを徹底解説
雨漏りしにくく経済的な切妻屋根、三角屋根のメンテナンスを徹底解説
![切妻屋根・三角屋根のメンテナンスを徹底解説](/wp-content/uploads/kirituma_01.jpg)
最終更新2024年2月9日
切妻屋根、三角屋根といったシンプルな形状の屋根は、施工しやすいという経済的な理由や、シンプルな形状だから雨漏りにも強く、メンテナンスしやすいといった理由で日本の屋根の過半数近くを占めています。
こちらのページでは、メリットとデメリットを踏まえた上で、屋根の健康を維持するためのメンテナンス方法を解説いたします。 ご自宅が切妻屋根の方、是非参考にしてください。
こちらのページでは、メリットとデメリットを踏まえた上で、屋根の健康を維持するためのメンテナンス方法を解説いたします。 ご自宅が切妻屋根の方、是非参考にしてください。
【動画で確認「切妻屋根は雨漏りに強い?」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
【動画で確認「切妻屋根は雨漏りに強い?」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
切妻屋根とは
ほぼ同じ長さの2つの面だけで構成されており、妻側(屋根の棟に対して垂直の壁)から見ると、屋根がほぼ2等辺三角形になっているものを切妻屋根と呼びます。このことから分かりやすい呼び方として「三角屋根」との通称があるのも切妻屋根の特徴です。
![切妻屋根とは](/wp-content/uploads/kirituma_02.jpg)
![切妻屋根は妻側から見ると破風板や軒天も見える本を伏せたような形状の切妻屋根](/wp-content/uploads/kirituma_03.jpg)
2017年のデータでは現在も太陽光発電を屋根の上に設置することが流行っているので、切妻屋根の新築物件は4割程度に減少したとされていますが、それでも選択率は堂々の1位です。70年代などはそれこそ8割近くが切妻屋根だったというのですから、現在の割合を少なく見積もってみても5割以上はあると考えられます。切妻屋根がここまで普及したのは数多くのメリットを備えているからです。
![切妻屋根のメリット](/wp-content/uploads/kirituma_04.jpg)
シンプルだから施工コストがかからない
屋根の面が4面ある寄棟屋根と比べてみましょう。屋根の造りを比べてみますと切妻屋根は長方形が2面で構成される屋根であり、寄棟屋根は台形2面に三角形2面で構成されています。垂木と母屋で長方形が2面の骨組みを作り上げるのと、台形2面と三角形2面の骨組みを作り上げるのではどちらが労力が必要でしょうか。
![切妻屋根と寄棟屋根の違い](/wp-content/uploads/kirituma_05.jpg)
雨漏りしにくく、メンテナンスもしやすい
屋根においても、外壁においても、雨水の浸入口となりやすいのは建材と建材の接合部です。各屋根材の雨水に対する性能はさておき、ここは屋根の接合部、面と面が出会う部分、棟について注目してみましょう。
![切妻屋根の棟は大棟の1箇所だけ](/wp-content/uploads/kirituma_06.jpg)
![寄棟屋根の棟は大棟と隅棟の計5箇所](/wp-content/uploads/kirituma_07.jpg)
![方形屋根の棟は4箇所](/wp-content/uploads/kirituma_08.jpg)
招き屋根は1箇所だけですが、切妻屋根とは違い、屋根の大きな片面部分に多くの雨水が流れるため、そちらが傷みやすいというリスクがあります。
片流れ屋根は棟がないように見えますが、屋根の高い部分が棟としての機能を持っており、見た目からも分かるように雨が入りやすそうな形状をしています(もちろん、しっかり施工されており、対策がなされていれば雨漏りすることはありません)。
片流れ屋根は棟がないように見えますが、屋根の高い部分が棟としての機能を持っており、見た目からも分かるように雨が入りやすそうな形状をしています(もちろん、しっかり施工されており、対策がなされていれば雨漏りすることはありません)。
![招き屋根の棟は1箇所](/wp-content/uploads/kirituma_09.jpg)
![片流れ屋根の棟は高い部分がその機能を持つ](/wp-content/uploads/kirituma_10.jpg)
したがって、切妻屋根は最も雨漏りしにくい屋根と言える訳です。
万が一、雨漏りしたとしても、棟が1箇所しかないため、雨水の浸入箇所がある程度、特定しやすいのです。したがって、メンテナンスもしやすい屋根と言えます。
万が一、雨漏りしたとしても、棟が1箇所しかないため、雨水の浸入箇所がある程度、特定しやすいのです。したがって、メンテナンスもしやすい屋根と言えます。
小屋裏の通気を確保しやすい
小屋裏とは天井裏のことです。切妻屋根は屋根の面の長さが左右で均等のため、湿気や熱気が偏りなく小屋裏の頂点へと集まってきます(実際には屋根の下のお部屋のレイアウトやそのお部屋の目的に左右されます)。
また、屋根が二等辺三角形の形状をしているため、その頂点の下に通気口(妻換気)を設けやすいといった特徴もあります。お部屋の熱気やジメジメを排出しやすいので、快適な室内を実現させやすいのです。換気棟と組み合わせれば、快適度はさらに上るでしょう。
また、屋根が二等辺三角形の形状をしているため、その頂点の下に通気口(妻換気)を設けやすいといった特徴もあります。お部屋の熱気やジメジメを排出しやすいので、快適な室内を実現させやすいのです。換気棟と組み合わせれば、快適度はさらに上るでしょう。
落雪する場所を予測しやすい
切妻屋根は2面の屋根ですから、降り積もった雪はそれぞれの面に沿って落雪することになります。したがって、落雪する場所も分かりやすいのです。
![それぞれの面に沿って落雪するので落雪する場所を予測でき対策をたてやすい](/wp-content/uploads/kirituma_12.jpg)
「ここの部分の屋根はお隣との距離が近いから雪止めを千鳥配置にして二重に付けておこう。こちらはお隣との距離が充分にあり、敷地も広いから一段でも大丈夫」と予測を立てやすいのはありがたいですよね。予め雪が落ちてくる場所が分かれば、落雪被害を防止するのにも役に立ちます。
ただし、積雪が2つの方向にしか分散されないため、それぞれの場所での落雪が多くなるというデメリットがあることも忘れないでください。
ただし、積雪が2つの方向にしか分散されないため、それぞれの場所での落雪が多くなるというデメリットがあることも忘れないでください。
![千鳥配置で設置された雪止め](/wp-content/uploads/kirituma_13.jpg)
和風・洋風、どんなデザインの建物にも合いやすい
切妻という字だけを見ると、とても和風な建物を思い浮かべてもおかしくはないのですが、実際に街中で切妻屋根の建物も見てみると和風・洋風・和洋折衷とさまざまな物が存在します。どれも似合っていますよね。
外壁などの意匠にもよるのですが、屋根を急勾配にして大きくすればヨーロッパの山中にある洋風の建物になります。外壁に漆喰を使い、垂木や母屋を見せる造りにすれば、純和風にもなります。どんなデザインにも似合うということは無個性ということもできるのですが、それだけ万能で洗練された形状とも言えるわけです。
外壁などの意匠にもよるのですが、屋根を急勾配にして大きくすればヨーロッパの山中にある洋風の建物になります。外壁に漆喰を使い、垂木や母屋を見せる造りにすれば、純和風にもなります。どんなデザインにも似合うということは無個性ということもできるのですが、それだけ万能で洗練された形状とも言えるわけです。
![和風・洋風・和洋折衷とどんなデザインにも似合う万能で洗練された形状の切妻屋根](/wp-content/uploads/kirituma_14.jpg)
![切妻屋根の唯一のデメリット](/wp-content/uploads/kirituma_15.jpg)
![破風側外壁は雨がそのまま当たることが多く破風、軒天、外壁も傷みやすい](/wp-content/uploads/kirituma_16.jpg)
![軒の出が短いことで外壁にダイレクトに雨水がかかるケースが多くなる](/wp-content/uploads/kirituma_17.jpg)
形状を見ただけでも分かるように、破風側の外壁は雨がそのまま当たることが多いのです。したがって、切妻屋根には破風も傷みやすければ、その下の軒天も傷みやすい、その内側にある外壁も傷みやすいというデメリットが存在します。
近年、その数が増えている軒の出が短い住宅(軒ゼロ住宅)では特に注意が必要です。対策としてはお家を購入する際、軒の出が長い建物を選ぶしかないということになります。既に購入済みという方はどのように対策すべきか考えてみましょう。
近年、その数が増えている軒の出が短い住宅(軒ゼロ住宅)では特に注意が必要です。対策としてはお家を購入する際、軒の出が長い建物を選ぶしかないということになります。既に購入済みという方はどのように対策すべきか考えてみましょう。
屋根リフォームで軒の出を延ばすといったことも不可能ではないのですが、屋根の母屋や垂木といった内部から変更を行わなくてはならないので現実的ではありません。他の部分には手が掛からないのですから、その分、こまめに点検し、こまめにメンテナンスしてあげましょう。
![切妻屋根のチェックポイントとメンテナンス方法](/wp-content/uploads/kirituma_19-1.jpg)
![破風](/wp-content/uploads/kirituma_20.jpg)
![破風は屋根を除けば最も雨がかかりやすいところ](/wp-content/uploads/kirituma_21.jpg)
![破風は定期的な塗装で雨水の吸収を防ぎます](/wp-content/uploads/kirituma_22.jpg)
![塗装しても耐用年数を期待できないような場合破風板板金巻きによるメンテナンスがお薦め](/wp-content/uploads/kirituma_23.jpg)
![妻壁(破風の下の外壁)](/wp-content/uploads/kirituma_24.jpg)
![屋根に守られている部分が少なく傷みやすい](/wp-content/uploads/kirituma_25.jpg)
![妻壁の基本的なメンテナンスは塗装](/wp-content/uploads/kirituma_26.jpg)
一般的な戸建て住宅において外壁塗装は10~15年に1度必要と言われていますが、切妻屋根の建物においてはそれよりも早めに行った方が良いケースも存在します。
チョーキング現象(白亜化現象)が発生したら、早めの外壁塗装を検討してください。軒の出が短い住宅の場合は外壁塗装などのメンテナンスの頻度はさらに高くなります。
チョーキング現象(白亜化現象)が発生したら、早めの外壁塗装を検討してください。軒の出が短い住宅の場合は外壁塗装などのメンテナンスの頻度はさらに高くなります。
![チョーキングが発生したら早めの塗装を](/wp-content/uploads/kirituma_27.jpg)
![切妻屋根でも谷板金がある屋根は要注意](/wp-content/uploads/kirituma_28.jpg)
![様々な屋根の形](/wp-content/uploads/kirituma_29.jpg)
また、完全な切妻であっても、ドーマーなどが設けられている場合は雨水の流れを妨げることになるため、やはり雨漏りリスクは高まります。こちらも切妻屋根だからと安心せずにこまめな点検が必要になります。
![ところで切妻屋根の語源とは?](/wp-content/uploads/kirituma_31.jpg)
![寄棟屋根・陸屋根・方形屋根のそれぞれの形](/wp-content/uploads/kirituma_32.jpg)
建物の棟の両端の壁のことを「妻壁」、あるいは「妻」と呼びます。切妻屋根はこの妻の部分で屋根が切り落とした形状をしているので切妻なのです。
![切妻屋根の形](/wp-content/uploads/kirituma_33.jpg)
屋根の形状の変更は可能だが…
「屋根の勾配が緩いので、雨水の流れが悪く、過去に何回か雨漏りしている。屋根の勾配を急にして雨水の流れを良くしたい。」という方が稀にいらっしゃいます。屋根の勾配を変える、屋根の形状を変えると言った屋根リフォームもある程度の制約があるものの、不可能ではありません。
メリットの多い切妻屋根をわざわざ他の形状に変更したいという方はいらっしゃらないと思います。
メリットの多い切妻屋根をわざわざ他の形状に変更したいという方はいらっしゃらないと思います。
![屋根の勾配や屋根の形状を変える工事は小屋組みから変更するため高額](/wp-content/uploads/kirituma_34.jpg)
![排水性が高い金属屋根材や水切れがよい葺き方で解決できる](/wp-content/uploads/kirituma_35.jpg)
屋根の勾配を変える、屋根の形状を変えるといった工事は小屋組み(屋根内部の骨組み)から変更せねばならず、かなりの高額となります。
屋根の上で雨水が上手く流れないなどのトラブルは屋根の勾配を変更するのではなく、排水性が高い金属屋根材にしたり、水切れがよくなるような葺き方で解決するのが現実的です。瓦から金属屋根材に変えるだけでも排水性能はアップしますし、金属屋根材には緩勾配にも対応できる製品が数多くラインナップされています。
屋根の上で雨水が上手く流れないなどのトラブルは屋根の勾配を変更するのではなく、排水性が高い金属屋根材にしたり、水切れがよくなるような葺き方で解決するのが現実的です。瓦から金属屋根材に変えるだけでも排水性能はアップしますし、金属屋根材には緩勾配にも対応できる製品が数多くラインナップされています。
![切妻屋根の点検なら街の屋根やさんの無料点検と無料お見積りをご利用ください](/wp-content/uploads/kirituma_37.jpg)
![一口に切妻屋根と言っても使われている屋根材はさまざま](/wp-content/uploads/kirituma_38.jpg)
![経験豊富なスタッフが現地でしっかり点検街の屋根やさんの無料点検をお試しください!](/wp-content/uploads/kirituma_39.jpg)
切妻屋根のまとめ
●切妻屋根は本を伏せたような形状のシンプルな三角屋根です
●シンプルだから施工しやすく、初期コストを抑えることができます
●シンプルだからメンテナンスしやすく維持コストも抑えることができます
●雨漏りしにくいというメリットもあります
●小屋裏の通風を確保しやすいのも特長です
●落雪する場所を予測しやすいので、その対策も立てやすいのです
●和風・洋風・和洋折衷とどんなデザインの建物にも似合います
●切妻屋根の弱点は破風の下の外壁に雨が掛かりやすいことです
●切妻の「妻」は棟の端の壁のことで、そこで屋根が切り取られたような形状になっているから切妻屋根です
●切妻屋根から他の形状に屋根を変更することも可能ですけど、大掛かりな工事になります
●切妻屋根の点検も街の屋根やさんにお任せください